2026年01月21日コラム

「犬の肘関節脱臼の好発年齢が愛犬の年齢と当てはまるか不安」
「若いのに肘関節脱臼と言われて、本当に多い年齢なのか知りたい」
「シニア期に足をかばい始めて、肘関節脱臼なのか年齢のせいなのか分からない」
このようなお悩みをお持ちの飼い主様もいらっしゃると思います。
実は犬の肘関節脱臼は、原因となるタイプによって好発しやすい年齢が少しずつ異なります。
本記事では、犬の肘関節脱臼の好発年齢についての考え方を中心に、年齢以外のサインについてお伝えします。
最後までお読みいただくことで、愛犬の年齢と症状をどのように受け止め、いつ動物病院に相談するのがよいかのイメージを持っていただけますと幸いです。
犬の肘関節脱臼には、原因によってタイプがあり、その背景によって好発年齢が異なります。
ここではタイプ別の好発年齢とその考え方についてお伝えします。
「犬の肘関節脱臼は好発年齢は〇歳です」と一言で言い切ることは難しいです。
原因によって好発年齢が変わる、という考え方が基本になります。
犬の肘関節脱臼には、ざっくりと分けて
といった原因のタイプがあります。
生まれつきの要因が関わる場合は、子犬期から若い成犬のうちに症状が目立ってくることが多いです。
外傷性の肘関節脱臼は、元気に走り回る若い犬だけでなく、成犬やシニア犬でも起こりうるケガといえます。
シニア期では、明らかな転倒のエピソードがないことは珍しくありません。
過去のケガによる肘関節の不安定さが肘関節脱臼につながってしまうケースもあります。
原因タイプごとの好発年齢の傾向をもう少し詳しく整理すると、次のようになります。
このタイプの肘関節脱臼は、生後数週〜生後数か月のあいだに足の異常が判明することが多いです。
診断時の月齢はおおよそ生後3〜6か月前後と報告されています。
このタイプの肘関節脱臼は、子犬からシニア犬まで関係なくみられます。
年齢でいうと2か月〜16歳と、幅広く報告があります。
平均年齢が2〜3歳とされる研究もあれば、中央値が9歳という報告もあり、さまざまです。
いずれも「この年齢では絶対に起こらない」というものではありません。
好発年齢より「症状」と「きっかけ」を重視
実際の診療では、好発年齢に当てはまるかどうかだけで病気を決めることはありません。
獣医師は次のような点を飼い主様に伺うことが多いです。
という点です。
「うちの子はまだ若いから肘関節脱臼ではないはず」
「もうシニアだから、年齢のせいだろう」
と年齢だけで判断してしまうと、受診のタイミングが遅れてしまうことがあります。
そのため、飼い主様は愛犬の症状やきっかけをしっかり観察していくことがとても大切です。

前述の通り、肘関節脱臼は好発年齢だけでは判断しきれません。
年齢にかかわらず共通して見られやすいサインを知っておくことが大切です。
ここでは、飼い主様が日常生活の中で気づきやすいポイントをまとめます。
まず、前足の使い方の変化としては、
という様子が代表的です。
触られたときの反応としては、
というサインが見られることがあります。
見た目やしぐさの変化としては、例えば
これらの様子が急にあらわれた場合や、数日たっても良くならない場合は肘関節脱臼の可能性があります。
犬の年齢にかかわらず早めに動物病院で相談していただくことがおすすめです。

犬の肘関節脱臼は、生まれつきの要因や成長期の問題、外傷など、原因によって好発年齢の傾向が異なります。
「〇歳なら起こりにくい」「〇歳なら起こりやすい」と言い切れるものではありません。
そのため、愛犬の年齢が当てはまるかどうかで判断するのではなく、日常で見られるサインを見ることが大切です。
気になる変化が続くときは、年齢にかかわらず一度動物病院で相談しましょう。
当院は整形外科診療に力を入れております。
愛犬の歩き方や前足の使い方で気になる点がありましたら、いつでもご相談ください。
神奈川県藤沢市の動物病院
辻堂犬猫病院