動物リハビリテーション医療専門診察のご案内

一般的には、整形外科疾患や神経外科疾患の周術期および退院後の回復およびケアをサポートします。また、外科手術に至らない場合であっても、疼痛緩和や機能改善を目的とした治療を行っていきます。

運動器(関節や筋・筋膜など)や神経(感覚神経と運動神経)に変化が生じると、姿勢の変化や行動の変化が現れます。例えば、背中を丸めた姿勢をとる、ソファーの昇り降りができなくなるなどの変化がみられるようになります。

リハビリテーション診察では、姿勢や動作、関節や筋肉の評価を行い、変化を起こした原因を診断します。そして、適切な治療を行っていきます。また自宅での環境の指導も行います。治療の大まかな内容としては、疼痛緩和、治癒促進、運動器機能改善、感覚受容体活性などがあり、筋膜リリースなどの徒手療法、様々な運動療法、レーザー治療機などを使用した物理療法を組み合わせて行います。

治療期間は、目標によって異なってきます。術後であれば、外科医と相談しゴールを決定します。高齢犬の場合、定期的なケアのために通院を継続することがあります。
「いつまでも元気に楽しく歩く!」を合言葉に、可能な限り「寝たきり」にならないように目指します。

「寝たきり」になったとしても、可能な限り苦痛を和らげる治療や指導を行っていきます。
病気や高齢だからと諦めず、より快適に暮らせるように、動物リハビリテーション医療を提供します。

次のような症状があれば
ご相談ください。

・背中が曲がっている
・歩く速度が遅くなった
・歩くときに頭が大きく上下する
・歩くときに腰がふらふらする
・つまずく
・階段がのぼれなくなった
・起き上がるときに苦労する
・座るときに苦労する
・足がブルブル震える
・足を上げている

リハビリテーションとは

リハビリテーション(Rihabilitation)は、”能力を回復させる”という意味のラテン語であるrehabilitareが語源です。リハビリテーションは、ヒト医療では一般的な治療法となっていて、患者さんの身体的な回復を最大限にすることが立証されています。
リハビリテーションは、適切な内科療法や外科療法、疼痛管理とうまく併用することで、より早く、より完全に手術や外傷から患者さんを回復させることができる重要な要素なのです。

リハビリテーションの適応

リハビリテーションは、単なる術後の機能回復訓練ではなく、日常生活の活動性を高め、より活動的で能動的な生活を享受するためのものであり、そのためには患者さんのみへのアプローチだけでなく、ご自宅での生活環境を改善したり、ご家族が状態を理解することもとても大切です。

リハビリテーションが適応となる主なケースは以下に挙げてみます。

整形外科疾患

術後の機能回復
・前十字靭帯断裂や膝蓋骨脱臼など関節の手術実施後の機能回復を目的とする場合
・大腿骨頭切除術を行った後の機能回復を目的とする場合

整形外科疾患によって二次的に生じた問題
・関節可動域の低下、筋力低下の回復を目的とする場合
・体幹のねじれなどの姿勢矯正を目的とする場合

神経疾患・脊髄疾患

・椎間板ヘルニアに対する保存療法と併用して行う場合
・椎間板ヘルニアに対する外科療法の術後機能回復を目的とする場合
・変性性脊髄症(Degenerative myelopathy;DM)の進行を抑制したい場合
・神経疾患による不全麻痺や筋力低下によって歩行に支障をきたしている場合

加齢性変化

・筋肉量、関節可動域の維持・向上を目的とする場合
・筋肉の緊張や短縮をマッサージによって和らげ、快適な生活を続けることを目的とする場合

先天性疾患

・先天性の関節脱臼によって生じた関節可動域低下や筋肉量低下をケアしたい場合
・先天性疾患に対する外科手術までに可能な限り関節可動域を維持させたい場合

受診の流れ(飼い主様から)

初診の方

1. お電話にてご予約ください。診療日時を決定します。
2. 診療の5分前にはご来院ください。もし他の動物病院様で受診された各種データをお持ちの場合にはご持参ください。

診察券をお持ちの方

診察券のある方は通常どおりホームページからも予約して頂けますが、予約が取りにくい場合はお電話でご予約下さい。

受診の流れ(動物病院様から)

1. お電話にてご予約ください。診療日時を決定します。(※原則紹介状は必要ありません)
2. 当院にご共有いただけますデータがある場合には、飼い主様にお渡しください。
3. 診療・治療を行います。
4. 紹介元病院様へお電話にてご報告を行います。
5. 治療が終了しましたら、継続診療はご紹介元の動物病院様にてお願いさせていただきます。
ただし、必要に応じてご紹介元の動物病院様と連携をとりながら継続治療を担当させていただくこともございます。

予約方法

毎月第一、第三火曜日に予約診療制にて診療を行なっています。
※原則紹介状は必要ありません

TEL 0466-34-2200

TEL 0466-34-2200

リハビリテーション科の診察日

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  • 9:00~12:00
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  • 13:20~15:40
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  • 16:00~19:00
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WEB予約

よくあるご質問

Q: リハビリテーションはどのように受けられますか?

A: まずは当院の獣医師にご相談ください。診察を通じて必要なリハビリテーションの種類と頻度を決定し、最適な治療プランをご提案します。

Q: リハビリテーションはどのくらいの期間続ける必要がありますか?

A: 動物の症状や回復状況により異なりますので、獣医師にご相談ください。

Q: リハビリテーションは痛みを伴いますか?

A: できるだけ痛みのない方法で行っています。動物のリハビリテーションは、動物たちが自発的に身体を動かすように設計された治療ですので、痛みをできる限り排除し、本能的に身体が動くような動きを取り入れています。

Q: 家でできるリハビリテーションのケアはありますか?

A: 診療後に家庭でできる簡単な運動やケア方法も指導しています。飼い主様の協力が回復を促進するため、積極的な参加をお願いしています。

担当獣医師紹介

小笠原 茂里人(おがさわら もりと)

現所属と役職:動物リハビリテーション医療研究所 代表 (URL https://armlab.online/ *外部サイトへジャンプします。)
資格:獣医師、C.C.R.P(米国Certified Canine Rehabilitation Practitioner:2007年取得) 出身大学:北里大学獣医畜産学部獣医学科(2002年3月卒)

2006年にテネシー大学のCCRPコースを修了し、2007年に認定取得。
動物リハビリテーションの臨床に携わり、理学療法をより深く学ぶ必要を感じ、リハビリテーション医学会や理学療法士学会の学術集会に参加、発表を行ってきた。現在は日本における動物リハビリテーションの普及と同分野における理学療法士の活躍の場を広める活動に取り組んでいる。

学会発表

2019年
・犬における徒手的筋膜リリースの効果7症例の報告 第17回日本動物リハビリテーション学会学術大会

2018年
・犬の坐骨神経機能障害症例に対する磁気刺激法を応用したニューロリハビリテーション 第55回日本リハビリテーション医学会学術集会

2017年
・犬の坐骨神経麻痺症例に対する磁気刺激法を応用したニューロリハビリテーション 第11回日本動物理学療法研究会座学セミナー症例発表

2016年
・犬の脊髄損傷症例に対する磁気刺激法を応用したニューロリハビリテーション 第53回日本リハビリテーション医学会学術集会
・脊髄損傷症例に対する磁気刺激法を応用したニューロリハビリテーションの検討 第12回日本獣医内科学アカデミー学術大会
・The effect of the magnetic stimulation on the recovery time of canine thoracolumbar intervertebral disc disease. The 9th International Symposium and Rehab Summit

2015年
・犬の脊髄疾患に対する磁気刺激療法の応用の検討 第13回日本神経理学療法学会学術大会
・線維軟骨塞栓症の犬のリハビリテーション 第9回日本動物理学療法研究会座学セミナー症例発表
・橈骨神経麻痺症例犬に対する末梢神経磁気刺激治療を含めた神経リハビリテーション 第17回日本臨床獣医学フォーラム年次大会
・後肢完全麻痺の犬に対する脊髄歩行習得リハビリテーション 第11回日本獣医内科学アカデミー学術大会、第52回日本リハビリテーション医学会学術集会
文献:
The effect of the magnetic stimulation on the recovery time of canine thoracolumbar intervertebral disc disease. Morito Ogasawara1, Hiromi Noguchi1,2, Takeo Minami1,3. Acta Vet Scand. 2016; 58(Suppl 2): 85.