軟部外科が担当する範囲は非常に広く、からだの表面にある皮膚から呼吸器、消化器、泌尿器疾患まで、たくさんの病気の治療を行います。
その原因は複雑なことが多いため、経験豊富な獣医師が診断にあたります。
時に緊急のケースも多いため、院内付属の検査センター、内視鏡やC T検査装置、I C Uなどの入院設備などを完備し、
獣医師だけでなく愛玩動物看護師や多くのスタッフがチームで受け入れを行います。
呼吸や排便や排尿など、当たり前のことが苦痛なく行える様、患者とご家族にとって最善の治療をご提案します。
診断:狭窄性外鼻孔
治療:外鼻孔形成術。狭窄した外鼻孔を拡げる手術をしました。術後、いびきは消失し息がしやすくなりました。手術の翌日、無事退院できました。
狭窄性外鼻孔は短頭種気道症候群のひとつでフレンチブルドックやボストンテリアに好発します。短頭種気道症候群は徐々に気道が狭くなり呼吸困難を起こすことがあります。若齢時に早目に外鼻孔形成術を行うことで気道が狭くなるのを抑制します。避妊去勢手術と同時に実施することがあり、短期間で退院できます。手術により鼻鏡の色が変化することが稀に認められます。
診断:会陰ヘルニア
治療:医療用メッシュを用い会陰ヘルニアの整復をしました。術後管理のため1週間ほど入院し無事退院しました。現在、排便はスムーズで症状の再発も認められません。
会陰ヘルニアは直腸を支える直腸周囲の筋肉が萎縮してしまい、直腸内に便が異常に停滞してしまい排便困難となります。停滞した便のため肛門の脇が膨らみ、便が出づらく、排便時の痛み、出血を伴うことが多いです。ひどくなると膀胱なども脱出し、尿が出づらい排尿障害や、それに伴う腎不全を引き起こし命に関わることもあります。治療法は萎縮した筋肉の代わりに医療用メッシュによって直腸を支えることにより便の停滞を防ぎます。さらに状況に応じて結腸固定や膀胱固定を行います。
この病気は中高齢の未去勢雄に多く、去勢手術によりある程度予防することができます。ウエルシュ・コーギーやボストンテリアなど尻尾の短い犬種では筋肉の萎縮が起こりやすいので特に若齢期の去勢手術が重要となります。
1. お電話にてご予約ください。診療日時を決定します。
2. 診療の5分前にはご来院ください。もし他の動物病院様で受診された各種データをお持ちの場合にはご持参ください。
診察券のある方は通常どおりホームページからも予約して頂けますが、予約が取りにくい場合はお電話でご予約下さい。
1. お電話にてご予約ください。診療日時を決定します。(※原則紹介状は必要ありません)
2. 当院にご共有いただけますデータがある場合には、飼い主様にお渡しください。
3. 診療・治療を行います。
4. 紹介元病院様へお電話にてご報告を行います。
5. 治療が終了しましたら、継続診療はご紹介元の動物病院様にてお願いさせていただきます。
ただし、必要に応じてご紹介元の動物病院様と連携をとりながら継続治療を担当させていただくこともございます。
軟部外科で扱う主な疾患には、皮膚形成が必要な外傷、呼吸不全をもたらす短頭種気道症候群や肺葉捻転などの呼吸器疾患、腸閉塞や会陰ヘルニア、胆嚢粘液嚢腫などの消化器疾患、尿路結石による排尿障害や腎不全を引き起こす泌尿器疾患など、たくさんの病気があります。
症状や病歴を確認し、必要に応じて画像診断(X線、超音波、内視鏡、CT検査など)を行います。併設の検査センターでは内臓機能検査だけではなく、各種ホルモン測定、血液凝固系検査を行い、迅速な診断を可能にしています。軟部外科手術には、いくつかのリスクと合併症が伴います。年齢や健康状態によって異なりますが、これらのリスクを最小限に抑えるために慎重に計画を立てます。手術の目的、代替療法の有無、リスクと合併症、入院期間や必要な費用に関してご家族にインフォームドコンセントを行います。手術当日、ご家族は待合室や見学室で手術が終えるのをお待ちになれます。当院では必ず麻酔医が手術に携わり、血圧や心電図のモニターを行い、麻酔リスクを可能な限り最小限にできるよう努めます。
術後のケアは、動物の回復を促進し、感染を防ぐために非常に重要です。入院中は、安静に過ごせる環境を整え、栄養管理や抗生物質、鎮痛剤の投与を行います。主治医、担当医だけでなく担当看護師や病棟看護師が情報を共有しチームで治療にあたります。ご面会は毎日可能です。面会時間等に関しては直接お尋ねください。
これらの情報が受診する際の参考になれば幸いです。何か不明な点があれば、遠慮なくスタッフに相談してください。