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犬が踵骨(かかと)を骨折?|アキレス腱との関係と治療のポイントを解説

2025年08月28日コラム

犬が踵骨(かかと)を骨折?|アキレス腱との関係と治療のポイントを解説

芝生を歩くミニチュアダックスフンド

「うちの犬が後ろ足をかばってる」
「かかとが腫れてる気がするけど骨折?」
「アキレス腱が切れたって言われたけど、手術が必要なの?」

後ろ足の違和感や痛みを訴える犬を診てもらったところ、「踵骨骨折」や「アキレス腱の損傷」と診断されることがあるかもしれません。
踵骨(しょうこつ)は人間でいう「かかと」にあたる骨で、アキレス腱と密接な関係を持っています。

今回は、犬の踵骨骨折とアキレス腱の損傷について、原因や治療方法、術後の管理まで詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬が足を怪我した時の適切な対応にお役立てください。

踵骨骨折とは?アキレス腱との関係性

踵骨は、後肢の足根関節を構成する骨のひとつで、人間でいう「かかと」に当たる骨です。
踵骨にはアキレス腱が付着しており、ふくらはぎの筋肉からの力を伝えて「後ろ足を蹴り出す動き」を支えています。
そのため、踵骨の骨折は、アキレス腱の機能に大きな影響を及ぼします。
アキレス腱が健在でも、付着部である踵骨が壊れていれば、その力を伝えられないのです。
逆に、踵骨が正常でもアキレス腱が断裂すれば、後肢に力が入らなくなります。

踵骨とアキレス腱の損傷は互いに影響し合い、合併すると歩行に重大な障害を残すリスクが高まります。

ブランケットの上にある犬の後ろ足

どんなときに起こる?

踵骨骨折やアキレス腱損傷の原因には以下のようなものがあります。

  • 高所からの落下
  • 急激なダッシュやジャンプ中の着地失敗
  • 交通事故による後肢の直撃
  • 成長期の過度な運動

特に若齢犬では、踵骨にある成長板(骨端板)が損傷されやすく、その影響で骨の成長障害や変形が生じることもあります。
また、小型犬では骨が細く、衝撃に弱い傾向があるため注意が必要です。

踵骨が骨折・損傷するとどんな症状が出るの?

踵骨の損傷やアキレス腱の断裂があると、次のような症状が見られることがあります。

  • 後肢を完全に地面につけず、浮かせる
  • かかとの腫れや熱感
  • 足を引きずる、異常な歩き方(跛行)
  • 痛みのために触ると嫌がる

特にアキレス腱が完全に断裂した場合、足首の関節が伸ばせなくなり、足が「ペタン」と地面に接してしまうような歩き方になります。
これは早急な治療が必要なサインです。

診断と検査

踵骨骨折やアキレス腱損傷の診断には、以下のような検査が行われます。

  • レントゲン検査:骨の形状、骨折の有無、変位を確認
  • 超音波検査:アキレス腱の断裂や炎症の有無をチェック
  • CT検査:骨折が複雑な場合や、関節内の構造を詳細に確認する場合に有用

アキレス腱と骨の両方が損傷していることもあるため、総合的な評価が求められます。

治療方法は?

踵骨骨折やアキレス腱断裂の治療は、保存療法では限界があり、基本的には手術が必要です。
骨折の治療はプレートやスクリューを用いて骨を整復・固定する手術を行います。
骨の断片が小さい場合、ワイヤーやピンでの固定も併用する可能性があります。

アキレス腱の治療では、腱の端同士を縫合(再接着)する処置が必要です。
必要に応じて人工腱や補強材を使用します。
手術後はギプスや副木、あるいは創外固定での固定が必要となります。
特にアキレス腱の治癒には数週間から数ヶ月を要するため、術後の管理が重要ですね。

野原の上にある犬の後ろ足

術後の管理とリハビリ

術後は以下のような管理が必要になります。

  • 安静期間:最低6~8週間
  • 包帯固定:腱のテンションを維持するために重要
  • 運動制限:ジャンプや急な動きは厳禁
  • リハビリ:術後3〜4週から軽いストレッチや歩行訓練開始

アキレス腱の修復は非常に繊細で、再断裂のリスクもあります。そのため、術後管理を徹底することが再発予防のカギとなります。

まとめ

踵骨の骨折とアキレス腱の損傷は、見た目以上に深刻な後肢の機能障害を引き起こします。
放置すると関節の変形や歩行障害が残る恐れがあるため、早期の診断と適切な外科治療がとても大切です。

当院では、整形外科に力を入れています。
後ろ足に違和感がある、かかとが腫れている、足が地面につかないなどの異常が見られた場合には、できるだけ早く当院を受診してください。

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