お知らせ
犬の骨折におけるクロスピン法とは?|適応やメリット・注意点を解説

2025年08月07日コラム

犬の骨折におけるクロスピン法とは?|適応やメリット・注意点を解説

上を見上げるトイプードル
「犬の骨折にはどんな治療法があるの?」
「クロスピン法ってどういう手術?」
「うちの子もこの方法で治療できるのかな?」

犬の骨折治療にはさまざまな方法があり、その中のひとつが「クロスピン法」です。
クロスピン法は、特定の骨折に対して効果的な治療法として採用されています。

今回は、犬の骨折におけるクロスピン法について、手術の目的や適応、メリット・注意点を中心に解説します。
愛犬が骨折してしまった際の治療選択肢として、ぜひご参考ください。

骨折にはどんな治療法がある?

犬の骨折は、交通事故や高所からの落下などで発生することが多いケガです。
放っておくと骨が変な位置でくっついたり、歩行に支障をきたすおそれがあります。
そのため、ほとんどの場合で外科手術が必要になります。

外科的な整復方法としては、以下のような手法が使われます。

  • プレート固定法
  • 創外固定法
  • クロスピン法

それぞれの方法は、骨折の部位や骨の形、犬の年齢や体格によって適応が異なります。
今回ご紹介するクロスピン法は、特に若齢犬に多い「成長板骨折」や「顆部(かぶ)骨折」に適応されることが多い方法です。

クロスピン法とは?

クロスピン法とは、2本以上の金属ピンを骨折部に対して交差するように打ち込んで固定する方法です。
ピン同士が骨の中で支え合いながら、骨折した部位を安定させることができます。

クロスピン法は、関節付近の骨折において、骨を正確な位置に戻してしっかりと固定するのに適した方法です。
主に若齢の犬で起こる成長板骨折に適応されることがあります。

飼い主に抱っこされる子犬

クロスピン法のメリット

クロスピン法には以下のような利点があります。

  • 骨折部位に対してピンを交差させることで高い安定性が得られる
  • 成長板に配慮した固定ができるため、若い犬にも適している
  • ピンが細く、周囲の組織へのダメージが少ない
  • 手術時間が比較的短い

特に成長期の犬では、成長板をできるだけ損傷しないように治療する必要があります。
クロスピン法は、成長板の形に合わせてピンを配置できるため、将来の骨の成長に配慮した治療が可能です。

クロスピン法のデメリット・注意点

一方で、クロスピン法には注意すべき点もあります。

  • ピンが皮膚の外に出る場合、感染のリスクがある
  • 骨の捻じれ方向の力に対してはやや弱い
  • 関節を動かした際に違和感を感じる
  • 骨がついた後にピンの抜去が必要な場合がある

術後にはピンの出口を清潔に保つ必要があり、包帯や消毒などのケアが欠かせません。
また、骨が完全にくっついた後はピンを抜去するための処置が必要になることもあります。

人間の足の上に置かれる犬の足

クロスピン法の術後管理

クロスピン法による手術後は、以下のような管理が重要です。

  • 一定期間のケージレスト(安静)
  • 散歩や運動の制限
  • ピン挿入部位の清潔管理
  • 定期的な診察とレントゲン検査

特に術後2〜3週間は骨折部位が不安定になりやすいため、できるだけ動きを制限する必要があります。
獣医師の指示に従って、段階的に活動範囲を広げていきましょう。

まとめ

クロスピン法は、犬の関節付近の骨折や若齢犬の成長板骨折に対して効果的な治療法のひとつです。
ピンを交差させて固定することで、安定性と成長への配慮を両立できる点が大きな特徴です。

ただし、適応には症例ごとの判断が必要であり、すべての骨折に使えるわけではありません。
骨折の種類や愛犬の年齢・体格によって最適な治療法は異なりますので、骨折が疑われる場合には早めに整形外科に強い動物病院での診察を受けてください。

当院では、犬の骨折治療においてさまざまな手術方法を取り入れており、愛犬にとって最適な方法をご提案しています。
骨折治療についてご不安な点があれば、いつでもご相談ください。

神奈川県藤沢市の動物病院
辻堂犬猫病院