2026年03月21日コラム

「犬を散歩に誘っても以前のように喜んで立ち上がらなくなった」
「最近犬が階段を上がりたくなさそう」
「歩いているときに犬の歩き方がおかしい」
このようなことを体験したことがある飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?
これらのサインは、犬の変形性関節症が原因かもしれません。
犬の変形性関節症は完治が難しいとされる病気ですが、注射薬を用いた治療で症状を軽減することができます。
この記事では、犬の変形性関節症の基本や治療に用いられる注射薬などを詳しく解説します。
この記事を最後まで読んで、愛犬の痛みに早めの対応が出来るよう参考にしてください。
犬の変形性関節症とは、関節を保護している軟骨がすり減ることで慢性的な炎症や痛みを引き起こす病気です。
一度壊れてしまった軟骨は元通りに再生することが難しいのが現状です。
犬の変形性関節症は
などが主な原因となって発症します。
シニア期を迎える7歳ごろからみられることが多いですが、若い時期に発症するケースも少なくありません。
犬の変形性関節症は痛みがひどくなる前に適切なケアをすることが大切です。
犬の変形性関節症は、完治が難しい病気です。
そのため主な治療方法は痛みを取り除いて、病気の進行をできるだけ緩やかにすることになります。
変形性関節症の治療は、従来は飲み薬が主流でした。
近年では注射薬での治療が注目されています。
注射と聞くと大変そうに聞こえるかもしれませんが、治療効果は非常に良く、多くの症例で推奨される治療方法です。
犬の変形性関節症による痛みの緩和には以下のような注射薬が使用されています。
以下に詳しく説明していきます。
NSAIDsは炎症を抑えて痛みを取り除くために、最も一般的に使われる薬です。
高い速効性があり「すぐに痛みを取ってあげたい」という強い痛みがある時に効果を発揮します。
NSAIDsは薬の成分が血液を通じて全身に届くため、複数の関節が痛む場合にも効果的です。
ただし、腎臓や肝臓に持病がある犬に使用する際は、十分な注意と事前の検査が必要です。
副作用のリスクを最小限に抑えるため、使用を検討する場合には、まず動物病院で診察を受けましょう。
モノクローナル抗体製剤は痛みの原因となる特定の物質だけに働きかける、最新の注射薬です。
従来の薬とは異なり、体内のタンパク質と同じように代謝されるため内臓への負担が非常に少ないのが特徴です。
「持病もあるけれど、痛みだけは取ってあげたい」という時にも使える薬になります。
モノクローナル抗体製剤は一度の注射で効果が約一ヶ月間持続します。
そのため、通院の頻度を抑えることが可能です。
薬を飲ませるのが難しい場合にもおすすめですね。
モノクローナル抗体製剤は新しい注射薬なので、使用を検討する場合は獣医師とよく相談しましょう。
ペントサンポリ硫酸ナトリウム製剤は、関節軟骨の保護や修復を促し、炎症を鎮める働きを持つ治療薬です。
特定の関節だけではなく、全身の軟骨の機能を回復させることが期待できます。
ペントサンポリ硫酸ナトリウム製剤は、週に1回の注射投与を数回繰り返すことで、中長期的に痛みを抑えられます。
副作用が少ないため、若い犬からシニア犬まで幅広く使用できるのが特徴です。
他の注射薬や飲み薬とも併用しやすく、安心して使用しやすい注射薬です。

注射治療の大きなメリットは、薬を飲ませる飼い主様の負担を減らせる点と速効性にあります。
注射薬の種類によっては、身体への副作用を抑えつつ、効果を持続させることが可能です。
これにより「毎日薬を飲ませるのは大変」という心配がなくなります。
また強い痛みがある場合は、注射薬で早めに痛みを抑えてあげるのが良いでしょう。
デメリットとしては、飲み薬に比べて一回あたりの費用が高くなりやすい点が挙げられます。
また針を刺す瞬間の痛みは伴いますので、注射や病院が苦手な犬の場合は難しいかもしれません。
しかし、その後の穏やかな生活を考えれば十分に検討する価値があるはずです。
愛犬の性格やご家族の通院が可能な頻度に合わせて、無理のない選択をしましょう。

犬の変形性関節症は、一度発症すると完治させるのが難しい病気です。
しかし、最近では注射治療によって身体への負担を抑えつつ、効果的に痛みをコントロールできるようになりました。
持病がある場合でも、治療を諦めずにすむ可能性があります。
散歩を嫌がったり段差を避けたりする場合は、手遅れになる前にまず動物病院へ相談しましょう。
当院は犬の変形性関節症に限らず、多くの整形外科疾患の治療実績があります。
愛犬の体調に不安なことがあれば、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
神奈川県藤沢市の動物病院
辻堂犬猫病院