2026年03月07日コラム

犬が高い場所から落下したあと、急に歩き方がおかしくなった経験はありませんか?
その背景には骨盤骨折が隠れていることがあります。
骨盤骨折は決して軽いケガではありません。
見た目ではわかりにくく、放置すると慢性的な痛みや日常生活の障害につながることも。
今回は、骨盤骨折の特徴や症状、放置した場合のリスク、治療法について解説します。
「もしかしたら骨盤骨折かもしれない」と思い当たることがありましたら、早めにご来院ください。
骨盤骨折は、犬の骨折のなかでも比較的よくみられるケガのひとつです。
骨盤は体の中心にあり、後ろ足の運動や周囲の内臓の保護にも関わっています。
複数の骨からなり、さらにその周囲にあるのは神経や内臓などの重要な器官です。
そのため骨折が起こると、強い痛みだけでなく、神経や内臓に影響をおよぼすこともあります。
骨盤骨折の原因の多くは、交通事故や高所からの落下などによる大きな衝撃です。
そのほか、日常生活の中で踏まれたり、物に挟まれたりすることも原因となります。
とくに若い犬や活発な犬は外傷を受けやすく、骨盤骨折のリスクが高くなります。

骨盤骨折の症状は骨折した部位や程度によってさまざまです。
よくみられる症状には、例えば以下のようなものが挙げられます。
骨盤骨折は初期のうちは「元気がない」「歩き方がおかしいだけ」と見過ごしてしまうこともあります。
しかし上記のような症状は骨盤骨折の可能性を示すサインです。
放置すると痛みが長引いたり、後遺症が残ってしまうリスクが高まります。
骨盤骨折を放置して自然に治るのを待つことは、リスクを伴うこともあります。
骨盤の役割は胴体の土台となり、体の中の空間を保つことです。
そのため、ずれたまま骨がくっついてしまうと骨盤腔(骨盤内の空間)が狭くなってしまいます。
骨盤腔が狭くなると、
などの問題につながってしまう可能性が高くなります。
それぞれの問題について少し詳しく見ていきましょう。
骨盤は腸や膀胱などの臓器が収まる空間を支えています。
骨盤骨折により骨盤内の空間が狭くなり、排便や排尿がスムーズにできなくなることがあります。
その結果、便が出にくくなったり、排尿時に痛みを感じたりすることも少なくありません。こうした状態が続くと、便秘や尿トラブルを繰り返し、犬の体に大きな負担がかかってしまいます。
骨盤の周囲には坐骨神経などの大事な神経が通っています。
そのため骨盤骨折を起こすと、神経への影響で麻痺や神経障害が生じてしまうことも。
さらに後ろ足の歩行異常を起こすこともあります。
症状としては立てなくなる、まっすぐ歩けなくなるなどです。
足の後遺症は日常生活の質を大きく下げてしまう可能性があります。
骨盤骨折の治療法は、大きくわけると以下の2つです。
骨盤骨折の部位や程度、犬の全身状態によって選択が異なります。
それぞれの治療法について見ていきましょう。
外科的治療では麻酔をかけて手術を行います。
骨盤の中心部分や体重のかかる場所が折れている場合に適応されます。
手術で骨を元の位置に戻し、プレートやスクリューで固定することが一般的です。
これにより、正しい位置で骨がくっつき、後遺症のリスクを抑えることができます。
手術後は入院にてしばらく経過観察を行います。
退院後も数週間の経過観察やリハビリが必要となり、動物病院での定期的な診察が重要です。
保存療法では主に痛み止めの内服を行い、自宅で安静に過ごしてもらいます。
骨盤の一部や体重がかかりにくい場所の骨折であれば、保存療法で経過をみる場合もあります。
ただし、この場合でも獣医師によるX線検査や定期的なフォローは必要です。
どの治療が最適かは犬の状態によって異なります。
早めに動物病院へ来院し、正確な診断を受けることが大切です。
骨盤骨折は外観だけではわかりにくいケガです。
しかし、放置すると痛みや後遺症が残りやすくなります。
少しでも気になる症状があれば、できるだけ早く動物病院で診察を受け、適切な治療方針を決めましょう。
犬の痛みや不安を放置せず、ぜひ一度ご相談ください。

骨盤骨折は交通事故や落下などで起こることが多いケガです。
放置すると排便・排尿の障害や後ろ足の神経症状など、日常生活に影響する後遺症が出る可能性があります。
治療法はいくつかありますが、早期の来院・診断が重要です。
当院は骨盤骨折をはじめとした整形外科治療を得意としています。
犬の排泄の様子や歩き方に不安がある場合は、ぜひ早めに当院へご相談ください。
神奈川県藤沢市の動物病院
辻堂犬猫病院