大腿骨骨折は、他の長管骨よりも骨折の発生率が高く、骨折全体の20–25%を占めます。また、大腿骨骨折は長管骨骨折全体の45%を占め、これは他の長管骨骨折の2倍以上を占めています。大腿骨骨折は癒合不全や骨髄炎の発生率が高く、また大腿骨のまわりは筋肉がよく発達していて包帯による安定化が難しいため、骨折の位置や折れ方に関わらず保存療法は推奨されません。
大腿骨には近位側と遠位側に成長板があり、近位側は大腿骨頭に成長板が存在します。
大腿骨近位側(大腿骨頭側)の成長板は、約8ヵ月齢になるまで大腿骨頚部の成長に関与しており、遠位側の成長板は大腿骨の伸延の大部分を占めています。したがって、骨の成長の著しい時期(4–5ヵ月齢頃)に成長板で骨折してしまった場合には、その後の骨の成長が問題なくできるかどうか注意が必要です。