この症候群は皮膚または口の粘膜の炎症性疾患です。病変の部位やかたちによって、無痛性潰瘍、好酸球性局面、線状肉芽腫の3つに分類されています。
いまだに不明な点が多いのですが、猫が何らかのアレルギー反応を起こすことで、白血球のひとつである好酸球という血球が過剰に集まってしまい、皮膚に炎症を起こすと考えられています。
無痛性潰瘍:好酸球性潰瘍または口唇潰瘍と呼ばれています。病変は境界部のはっきりした潰瘍で、上唇に最もよく認められますが、口腔粘膜、下唇、皮膚などにも発生します。
この病変は痒みも痛みもありません。
好酸球性局面:これは境界部のはっきりした盛り上がった斑状の潰瘍化病変であり、3歳以上の猫の内股と腹部の皮膚に最もよく発生します。この病変には、激しい痒みが認められます。
線状肉芽腫:若い猫に認められます。この病変は明白な線状を呈し、盛り上がっていて、硬くなっています。後肢の後面でよく認められますが、口腔や皮膚などにも認められます。この病変には痒みがありません。
病変の観察と皮表細胞診検査を行います。また皮膚の一部を切り取って組織検査を行うことで確定診断になります。また血液検査で血液中の好酸球数を調べることも行います。
原因となるアレルギー物質が特定できれば、それを避けることが基本です。
薬物療法としてはステロイド剤や免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤など炎症を抑える薬を投与します。